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一族改革

父とオモニ(母)が北海道から帰ってきた。父方の祖母さんの一周忌で。

 そう言えば、去年お祖母さんが亡くなって、ソウルから札幌まで行ったもんなあ。で、札幌からソウルへ帰る。つーか俺の国籍日本だぞ!おい!

 で、このホームページのエッセイの一つを読んでいただければわかると思うけど、父方の家と母方の家の絡み合いが凄くて…。お祖母さんなんかもうちのオモニの事を誤解していた部分があって(険悪な中ではなかったけれども)、亡くなる一年前にそれが解けた感動的な話しがあったんだけど、実はそれに僕も一役買っているのです。
 要するに、日本人の家に韓国人が入ると(在日も含めて)、そこのところに触れては行けないタブーみたいなところがあって、それが俺みたいな人間にとっては息苦しさを感じる事があったわけ。しかも父方の六親等以内に2分の1・4分の1含めてコリアンが五人もいる。同じはらからとしての親近感が、日本人血族社会のもつタブー感によって制約される何ともいえない圧迫感がある。それは日本人側も同じ。結局、日本人から見て在日コリアンは見えない部分が多すぎるので、触れることが憚られると言った側面もあった。歴史と世相が双方に後ろめたさを持たせていたのも確かだから、そこのところを考慮しながら、そのタブーを打破しようと僕も行動しているわけ。

 それで、今日父に言われた。「お前がいろいろとやってくれたおかげで俺もお母さんの事を堂々と話せるんだ」と。
 嬉しかったですよ。何とか堪えたけど、涙が出そうになった。今年1月に出した詩集の事が法事の時に話題になったらしい。しかも、純日本人の従兄弟からその話が自然と出てきたらしい。自然と話題になるって事が重要だと思う。僕の詩集は在日コリアンの血が流れている僕の心情がテーマであるから、それが話題になるということは在日の事にも触れることになる。今までだったらあり得ないことですよ、これは。今までなら、タブー感がそういう話題を出すのも思いとどまらせていたもの。でも最近、この従兄弟だけに限らず、他の親戚からもそういうこと聞かれる事がちょくちょく出てきたから、今までの行動の効果が出てきていると思う。

 これでタブーを打破する道筋が出てきた。まだ問題はあるから、ここで留まるわけにはいかない。未来は拓かれ始めたばかりだから。




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